LPガス・ディーゼル・ガソリン非常用発電機の違い

介護施設の非常用電源選定

LPガス・ディーゼル・ガソリン非常用発電機の違い

非常用発電機は、燃料によって備蓄方法、補給方法、出力帯、運転管理が変わります。施設にある燃料設備、停電時に動かす機器、必要な運転時間、職員が行える操作を先に確認しておきましょう。

LPガス、ディーゼル、ガソリンの特徴を、介護施設での運用条件に合わせて比較しています。

最終確認:2026年9月15日
災害時の燃料供給は、地域、道路状況、供給会社の体制、施設との契約、同時発生する需要によって変わります。特定の燃料が必ず供給されるとは限りません。

LPガス・ディーゼル・ガソリンの比較

燃料比較で出てくる言葉

バルク貯槽はLPガスを施設内にまとめて貯蔵する設備、気化能力は液体のLPガスを機器で使える気体へ変えられる量です。負荷率は発電機の能力に対して実際に使う割合、ATSは停電時に電源を自動で切り替える装置です。BCPでは、燃料の種類だけでなく、補給なしで何時間運転でき、誰が始動・給油するかを確認します。

燃料名だけで選ばず、必要出力を満たす製品があるか、施設内に何時間分を確保できるか、停電後に補給できない場合でも運転を続けられるかを確認します。

比較項目LPガスディーゼルガソリン
主な設置形態定置型、LPガス容器・バルク貯槽に接続する機種定置型、可搬型、燃料タンク一体型・別置型主に小型・可搬型、一部にガス兼用機
製品の出力帯小型から施設設備向けまであるが、メーカーごとに範囲が異なる小型から大容量まで選択肢が広い小型負荷向けが中心
燃料の施設内確保容器またはバルク貯槽で確保本体・別置タンクで確保携行缶などで確保するが、保管場所と数量に制約がある
長時間運転貯蔵量、消費量、気化能力、交換・補給計画で決まるタンク容量、負荷率、燃料消費量、補給計画で決まる燃料タンクが小さい機種が多く、給油回数と職員対応が課題になりやすい
自動始動・自動切替対応する定置型がある対応する定置型が多い小型可搬機は手動操作が中心。製品仕様の確認が必要
平常時の燃料管理ガス設備、圧力調整器、容器・貯槽、配管を点検燃料の品質、水分・沈殿物、タンク、フィルターを管理燃料の入替え、タンク・キャブレターの管理が必要
補給時の確認供給会社、配送条件、容器交換・充填、災害時対応給油会社、配送可能量、車両・給油口、災害時対応給油所・備蓄燃料、給油手順、運転停止と冷却
向く使い方既存のLPガス設備を活用でき、燃料供給会社と平時から運用を組める場合大きな負荷や三相機器を含み、定置型で長時間運転を計画する場合照明・通信・充電など限定負荷を可搬型で補う場合

表は燃料方式の一般的な比較です。個別製品の出力、連続運転時間、始動方式、設置条件を優先してください。

LPガス発電機で確認すること

LPガスは容器やバルク貯槽に保管し、定置型発電機へ配管して使う方式があります。施設ですでに給湯や厨房へLPガスを使っている場合でも、既設の供給設備が発電機の消費量に対応できるとは限りません。

見積もりでは、発電機の燃料消費量だけでなく、容器本数・貯槽容量、圧力調整器、配管、同時に使用するガス機器、低温時の気化能力を確認します。発電機だけでなく、LPガス設備を含めた設計が必要です。

  • 容器供給かバルク供給か
  • 発電機へ使える実容量
  • 負荷率別の燃料消費量
  • 低温時を含む気化能力
  • 給湯・厨房との同時使用
  • 容器交換や補給の手順
  • 供給会社の対応地域
  • 災害時供給に関する契約

LPガスがあれば自動的に使えるわけではない

既設の容器やバルク貯槽を活用できるかは、発電機の仕様、供給圧力、配管、貯蔵量、他設備の使用量で決まります。発電機メーカー、施工会社、LPガス供給会社の三者で確認してもらいます。

ディーゼル発電機で確認すること

ディーゼル方式は、小型から大容量まで製品の選択肢があり、給水ポンプ、空調、厨房設備など大きな負荷を含む計画でも候補になります。必要な単相・三相、電圧、始動電力に対応する型式を選びます。

運転時間は、カタログ上のタンク容量だけでは決まりません。実際の負荷率に対する燃料消費量、使用可能な燃料量、補給停止までの余裕を確認します。長期間保管する燃料は、品質、水分、沈殿物、タンク内部、寒冷地で使う燃料の適合も管理対象です。

  • 定格出力と単相・三相
  • 負荷率別の燃料消費量
  • 使用可能なタンク容量
  • 燃料の点検・入替え方法
  • 燃料フィルターと水抜き
  • 軽負荷運転時の注意
  • 排気、騒音、振動への対策
  • 給油会社との補給条件

大容量タンクだけで長時間運転を判断しない

設備が必要負荷で安定して運転できること、燃料系統が維持されていること、実負荷または定められた方法で状態を確認していることが前提です。

ガソリン発電機で確認すること

ガソリン発電機は、小型・可搬型の製品が多く、照明、通信機器、充電など給電先を限定した補完電源として検討できます。職員が発電機を運び、屋外の適切な場所で始動し、延長コードなどで機器へ接続する運用が中心です。

ガソリンは長期保管中の変質と、蒸気への引火に注意が必要です。メーカーの取扱説明書には、長期保管前に燃料タンクやキャブレターから燃料を抜くよう記載された製品があります。施設の備蓄計画では、購入時期、入替え、保管場所、給油担当者まで決めておきます。

  • 定格出力と起動電力
  • 1回の給油での運転時間
  • 燃料の購入・入替え方法
  • 携行缶と保管場所
  • 屋外での設置場所
  • 運搬・始動・給油の担当者
  • 延長コードと接続機器
  • 一酸化炭素中毒と火災の防止

屋内や換気の悪い場所では運転しない

排気には一酸化炭素が含まれます。発電機は製品の取扱説明書に従い、屋外の適切な場所で使用します。運転中や停止直後の給油も避けます。

介護施設の条件による選び方

施設の条件優先して確認する方式判断に必要な情報
既設のLPガス設備を活用したいLPガス貯蔵量、気化能力、配管、同時使用量、供給契約
給水ポンプや空調など大きな負荷があるディーゼルと対応出力のLPガス定置型三相・電圧、始動電力、同時負荷、給電回路
既設発電機の不足分だけを補いたい負荷に合う小型発電機または別方式の補完電源既設電源で賄えない機器、必要時間、接続方法
夜間も職員操作なしで始動したい自動始動・自動切替に対応する定置型停電検知、始動時間、ATS、復電時の動作、定期試験
限定した機器を職員が手動で動かすガソリン式を含む可搬型担当者、屋外設置、運搬、燃料、配線、訓練
72時間を想定する方式を限定せず、必要負荷と確保燃料から算定負荷率別消費量、施設内燃料、補給なしでの運転時間

72時間はすべての介護施設に一律に適用される設備要件として扱わず、補助制度、自治体の条件、施設のBCPを個別に確認します。

燃料方式の見積もりでそろえる項目

複数社へ見積もりを依頼するときは、次の条件を同じにします。

  1. 停電時に動かす機器
  2. 同時負荷と起動電力
  3. 必要な連続運転時間
  4. 既設発電機と燃料設備
  5. 施設内に確保する燃料量
  6. 補給なしで運転できる時間
  7. 自動始動・切替の要否
  8. 燃料設備を含む工事範囲
  9. 定期点検と燃料管理
  10. 災害時の補給契約
  11. 故障時の代替対応
  12. 本体・工事・保守の総額

非常用発電機・燃料供給に対応する企業の方へ

介護・福祉施設向けのLPガス、ディーゼル、ガソリン発電機、燃料設備、災害時供給、設計施工、保守に関する情報を受け付けています。対応地域、取扱製品、燃料供給条件、保守体制、施設での実績をご提供ください。

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