介護施設の空調を停電時に動かす非常用電源|全館運転にしない設計
設備別の非常用電源
介護施設の空調を停電時に動かす非常用電源|全館運転にしない設計
介護施設では、猛暑や寒冷時の停電が利用者の体調に直結します。一方、全館の空調を非常用電源で動かすと必要容量が大きくなります。停電時に利用者を集める療養区画を決め、その区画の室内機・室外機を動かす設計が現実的です。
最初に確認すること
厚生労働省の自然災害BCPガイドラインは、自家発電機がある場合、設置場所と稼働方法、燃料の確保策、カバーできる時間と範囲を確認し、使う設備に優先順位を付けるよう示しています。
| 確認項目 | 施設で起こること | 確認する資料・条件 |
|---|---|---|
| 対象区画 | 全館ではなく入居者を集める安全な区画を決める | 定員、面積、断熱、換気、移動手段 |
| 空調方式 | 個別、マルチ、中央熱源等で必要電源が異なる | 室内機・室外機・ポンプ・制御の構成 |
| 電源仕様 | 単相・三相、200V、起動電流を確認 | 室外機銘板とメーカー仕様 |
| 運転時間 | 外気温、設定温度、人数で消費電力が変わる | 夏・冬の厳しい条件で試算 |
設備を一つずつ確認する
「非常用電源あり」という設備一覧だけでは判断できません。停電時に動かす設備を、回路、電圧、出力、運転時間、代替策まで分けます。
| 設備・業務 | 停電時の役割 | 確認すること |
|---|---|---|
| 室外機 | 圧縮機とファン | 定格・最大電流、起動方式 |
| 室内機 | ファンと制御 | 系統、台数、室外機との組合せ |
| 中央設備 | 冷温水ポンプ、冷却塔、制御盤 | 周辺設備を含む電力 |
| 換気設備 | 給排気ファン | 感染対策と温度維持の両立 |
| 代替策 | スポットクーラー、扇風機、毛布等 | 換気、排熱、使用可能時間 |
よくある不足と相談先
| よくある不足 | 改善の方向 | 相談先の例 |
|---|---|---|
| 室内機の消費電力だけを見る | 室外機と付帯設備を含める | 空調会社、電気設備会社 |
| 全館運転で過大設備になる | 療養区画と運転台数を限定 | BCP担当、設備設計会社 |
| 起動が重なり電源停止 | 時差起動と優先制御を設計 | 制御会社、発電設備会社 |
| 可搬型機器の排熱を見落とす | 排気・ドレン・換気を確認 | 空調レンタル会社 |
製品を選ぶ前に現場条件を渡す
会社へは施設名や予算だけでなく、銘板写真、単線結線図、非常用分電盤、過去の点検記録、停電時に動かす設備一覧を渡します。同じ条件で複数社へ見積もりを依頼すると比較しやすくなります。
発電機・産業用蓄電池・UPSを役割で選ぶ
| 選択肢 | 使い方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 常設発電機 | 大きな出力と長時間運転を組みやすい | 燃料、排気、騒音、始動・切替、保守 |
| 産業用蓄電池 | 自動切替や三相負荷、太陽光連携に対応する製品がある | 実効容量、停電時出力、特定負荷、消防との協議 |
| UPS | 瞬断を避け、発電機・蓄電池が給電するまでをつなぐ | 対応機器、電池時間、劣化、交換 |
| ポータブル電源 | 小規模な単相機器を個別に支える | 定格・瞬間出力、容量、充電、安全な保管 |
| 代替運用 | 電気を使わない方法で必要容量を減らす | 手作業、備蓄、職員配置、安全性 |
一種類に統一する必要はありません。停止できない機器はUPS、長時間・大出力は発電機や産業用蓄電池、個別機器はポータブル電源というように組み合わせます。
設備の条件を介護BCPと訓練へ反映する
BCPには設備名だけでなく、誰が、いつ、どの順序で確認・操作し、使えない場合にどう切り替えるかを記載します。発電機が起動しても対象機器が動かないことがあるため、停電・復電を想定した訓練が必要です。
- 停電を確認する担当者
- 非常用電源の起動・切替確認
- 優先設備の起動順序
- 同時使用を禁止する設備
- 残量・燃料の確認時刻
- 故障・警報時の連絡先
- 代替手段へ切り替える条件
- 利用者を移送する条件
- 復電後の設備確認
- 訓練後の見直し担当
相談・見積もり前に確認する24項目
- 停電中も継続する業務
- 停止できる業務と再開条件
- 対象設備のメーカー・型式
- 銘板の相数・電圧・周波数
- 定格・最大消費電力
- 起動電流・起動方式
- 同時に使う設備
- 使用する時間帯と回数
- 必要な連続運転時間
- 停止を許容できる時間
- 内蔵電池とUPSの時間
- 既設発電機の用途と容量
- 非常用分電盤の接続先
- 停電時の切替方法と時間
- 復電後の自動復帰
- 燃料・蓄電残量の確認
- 設置場所の浸水・地震対策
- 点検・保守の担当会社
- 故障時の代替手段
- 休日夜間の連絡先
- 停電を想定した実機訓練
- 訓練結果の記録
- 見積書の工事・保守範囲
- 導入から更新までの総費用
施設の条件を企業へ伝えて比較する
本ページは、介護施設が必要条件を整理し、製品・工事・保守を提供する企業と具体的な相談を始めるためのものです。各社には、公開情報だけで判断できない次の内容の提示を求めます。
| 企業の種類 | 確認・提案を求める内容 |
|---|---|
| 空調設備会社 | 停電時運転できる系統の調査 |
| 発電機・蓄電池会社 | 三相出力、起動電力、運転時間 |
| 電気工事・制御会社 | 回路分離、時差起動、優先制御 |
| 空調レンタル会社 | 故障・長期停電時の代替機 |
企業から提供された仕様・価格・対応地域・事例は、出典と確認日を示して掲載します。有料掲載の場合は広告・PRであることを表示します。
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本ページは2026年9月15日に確認した公的資料をもとに作成しています。法令、ガイドライン、製品仕様は変更される場合があります。
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