介護施設向け非常用発電機の費用|本体・設置工事・保守を比較

介護施設・事業所の非常用電源

介護施設向け非常用発電機の費用|本体・設置工事・保守を比較

非常用発電機の導入費用は、本体価格だけでは決まりません。必要な電力、設置場所、燃料設備、建物への配線、自動切替、騒音・排気対策、既設設備の撤去によって総額が変わります。

本ページでは、介護・福祉施設が公開した工事実績を示し、導入時と導入後の費用をどのように見積もればよいかを説明します。

最終確認:2026年9月15日
公開工事実績は、施設ごとに発電容量、燃料、工事範囲、建物条件が異なります。個別の金額を相場として転用せず、予算検討の参考資料としてご覧ください。

先に停電時に続ける業務を決める

発電機の容量を先に決めると、不要に大きな設備を選ぶか、必要な機器を動かせない設備になるおそれがあります。次の順序で整理すると、必要容量と費用の根拠が明確になります。

順序決めること費用への影響
1 継続する業務食事、排泄、服薬、吸引、見守り、連絡、記録など停電時に必要な電力の範囲が決まる
2 動かす機器医療・介護機器、照明、空調、給水、厨房、通信機器など必要出力、電圧、相数、電源品質が決まる
3 優先順位同時に使う機器と時間をずらして使う機器最大負荷を抑えられる場合がある
4 必要時間24時間、72時間など施設の継続目標燃料タンク、燃料備蓄、補給計画が変わる
5 運用する人始動、切替、監視、給油、停止を行う担当者自動化、遠隔監視、訓練、保守の範囲が変わる

消防設備用とBCP用は別に確認する

既設の非常用発電機が消防設備へ電力を供給していても、介護業務に必要なコンセント、空調、給水等へ給電できるとは限りません。消防設備に必要な電源と、BCPで続ける業務の電源を分けて確認します。

介護・福祉施設の公開工事実績8件

公開された落札・契約金額には大きな差があります。金額だけで高い・安いと判断せず、新設か更新か、発電容量、燃料設備、配線、撤去、消費税の扱いを確認してください。

施設・発注者工事内容公表金額公表時期読み取る際の注意
特別養護老人ホームトータス非常用自家発電設備860万円 税別2020年公開ページで確認できる工事範囲が限定的
特別養護老人ホームすさ苑非常用自家発電設備工事1,071万円 税別2021年参加4社の入札結果で、詳細仕様は別途確認が必要
母来寮非常用発電機取替工事1,135万2,000円 税込2023年取替工事であり、新設工事とは条件が異なる
特別養護老人ホームはなみずきホーム非常用発電設備改修その他工事1,822万7,000円 税込2025年「その他工事」を含むため発電機単体の費用ではない
特別養護老人ホームえんじゅ・ケアハウスやまぶき非常用発電機更新及び設置工事2,310万円2025年2施設を対象とし、公開ページでは税区分が明記されていない
特別養護老人ホームつばさ非常用自家発電設備設置工事2,370万5,000円 税込2025年予定価格2,376万円に対する落札金額
特別養護老人ホーム第二川口シニアセンターLPガス非常用自家発電設備工事3,044万円 税別2024年LPガス発電機の工事で、燃料設備等の範囲を仕様書で確認する必要がある
特別養護老人ホームひろた非常用発電設備整備工事4,609万円2024年契約金額で、公開ページでは税区分と詳細内訳が明記されていない

この表は相場表ではありません。公表金額は約860万円から4,609万円ですが、発電容量や工事範囲が統一されていないため、平均値の算出や単純な価格比較には使用できません。

導入費用を10項目に分けて比較する

見積書で「非常用発電設備一式」とまとめられている場合は、含まれる項目を確認します。同じ本体でも、建物側の工事条件によって総額が変わります。

費用項目主な内容金額が変わる条件
現地調査・負荷調査既設設備、給電回路、最大負荷、設置場所の確認図面の有無、実測範囲、既設設備の状態
設計・申請電気・建築・消防・燃料設備の設計、必要な届出設備区分、燃料、自治体、建物用途
発電機本体原動機、発電機、制御盤、防音・防雨仕様出力、電圧、相数、燃料、始動方式、メーカー
自動切替・受配電停電検知、自動始動、商用電源との切替、分電盤自動化の範囲、既設盤の改造、高圧・低圧
燃料設備燃料タンク、LPガス容器・バルク、配管、漏えい対策必要運転時間、燃料種類、貯蔵量、消防法・条例
基礎・建築工事基礎、架台、防振、機械室、屋上補強、囲い設置場所、重量、耐震、防水、既存建物の構造
搬入・据付運搬、クレーン、養生、据付、搬入経路の確保道路、敷地、階数、屋上、作業時間の制限
配線・配管電源ケーブル、制御線、排気、換気、燃料配管発電機から受電設備までの距離、貫通工事
撤去・仮設電源既設機の撤去・処分、工事中の仮設発電機既設機の大きさ、搬出経路、停電可能時間
試運転・引渡し負荷確認、切替試験、操作説明、図面・記録の作成試験方法、立会い、職員訓練、提出書類

本体価格が安くても総額が安いとは限らない

既設受配電設備の改造、長い配線経路、屋上への搬入、騒音対策、燃料タンクの新設が必要な場合は、付帯工事が本体以外の大きな費用になります。本体と工事を分けた内訳を求めてください。

導入後の保守・燃料・更新費まで含める

設備を設置しても、点検や燃料管理を行わなければ停電時に始動できないおそれがあります。初期費用だけでなく、使用期間全体の費用を確認します。

導入後の費用確認する内容見積もりで分ける理由
定期点検外観、始動、電圧、油脂、冷却、蓄電池、制御盤等法定点検とメーカー推奨点検の範囲が異なる
負荷運転・内部観察消防用設備の非常電源に該当する場合の点検方法等対象設備、実施方法、機器、報告書で費用が変わる
消耗品・部品交換潤滑油、フィルター、冷却水、始動用蓄電池、ベルト等定期点検費に含まれるか別請求かを確認する
燃料管理燃料購入、品質確認、入替え、タンク清掃、災害時配送契約燃料種類、保有量、補給契約によって変わる
故障・緊急対応受付時間、出張、修理、部品、代替機保守契約に含まれる対応と追加料金を確認する
更新・撤去設計、本体、付帯工事、仮設電源、撤去・処分将来の更新時にまとまった支出が発生する

使用期間全体の費用 = 導入費用 + 点検・部品・燃料・修理費 + 更新・撤去費用

年間保守費を一律の金額で示すことはできません。発電容量、設備区分、点検内容、契約範囲、訪問地域によって異なるため、年次費用と複数年費用を見積書で確認します。

複数社の見積もりを同じ条件で比較する

見積金額だけを並べても、含まれる工事や保守が違えば比較できません。各社へ同じ前提条件を伝え、除外項目と追加費用が生じる条件まで確認します。

比較欄会社A会社B会社C
発電機の仕様メーカー・型式・出力を記入メーカー・型式・出力を記入メーカー・型式・出力を記入
給電する回路対象を記入対象を記入対象を記入
本体・制御盤金額・範囲を記入金額・範囲を記入金額・範囲を記入
設計・申請金額・範囲を記入金額・範囲を記入金額・範囲を記入
設置・電気・燃料工事金額・範囲を記入金額・範囲を記入金額・範囲を記入
撤去・仮設電源金額・範囲を記入金額・範囲を記入金額・範囲を記入
試運転・操作説明金額・範囲を記入金額・範囲を記入金額・範囲を記入
年間保守金額・範囲を記入金額・範囲を記入金額・範囲を記入
保証・故障対応期間・条件を記入期間・条件を記入期間・条件を記入
見積対象外内容を記入内容を記入内容を記入
総額・税区分金額を記入金額を記入金額を記入

「別途」「一式」「現場状況による」を確認する

追加費用が発生しやすいのは、既設設備の改造、クレーン、夜間作業、仮設電源、アスベスト調査、地中配管、消防・電気関係の追加対応です。金額が確定していない項目は、算定方法と上限の有無を確認します。

BCP上の必要性を予算の根拠にする

「防災のために必要」という説明だけでは、設備規模や投資額の妥当性を判断できません。停電によって中断する業務と利用者への影響を示し、設備費用と運用費用を予算化します。

  1. 停電時に継続する業務
  2. 停止すると生命・健康へ影響する機器
  3. 発電機で給電する回路
  4. 必要な出力と運転時間
  5. 既設設備で不足する内容
  6. 導入・更新しない場合の代替策
  7. 職員が行う操作と訓練
  8. 燃料備蓄と補給契約
  9. 点検・修理の年間予算
  10. 故障時の代替電源
  11. 補助金を使えない場合の資金計画
  12. 更新予定年と積立計画

補助金の採択前に発注しない

補助制度によっては、交付決定前の契約・発注・着工が補助対象外になる場合があります。対象施設、対象設備、基準額、補助率、申請時期を自治体へ確認し、見積もり取得と発注の順序を決めてください。

掲載を希望する企業の方へ

非常用発電機の販売、設計、設置、更新、保守、リース、レンタル、補助金申請支援について、費用内訳、対応地域、取扱容量、介護・福祉施設での実績などの情報提供を受け付けています。掲載情報の修正、取材、広告掲載についてもご連絡ください。

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